チェーンの起源は、紀元前493頃のギリシャ、ローマ時代、ペルシャ軍の侵入を防ぐために築かれたギリシャのピレウスの港を防御するために、取り付けられたチェーンが初めてだといわれています。8~9世紀にかけて、ノルウェー、スウェーデンのスカンジナビア半島を拠点にし、ヨーロッパで活躍したヴァイキングは航海術だけでなく、青銅や鉄の加工技術も優れており、初めてアンカーにチェーンを使用したといわれています。

チェーン ネックレスの長さと名称

ネックレスチェーン 長さと名称
  • 35cm…チョーカータイプ
  • 40-45cm…プリンセスタイプ
  • 50-60cm…マチネタイプ
  • 80-90cm…オペラタイプ
  • 100-120cm…ロープタイプ

あずき(小判)チェーン

小さな輪がたくさん連結されたスタンダードなデザインのチェーン です。 輪のひとつひとつが、小豆の形に似ていることから、一般的に「あずきチェーン」と呼ばれています。 (ケーブルチェーンと言うこともあります。)サイズや縦横の比率を変えたり線の断面に形を変えることでさまざまな種類を生み出します。輪に大小をつけたり、円形ではなく楕円や四角形の輪を組み合わせてさらにデザイン性を上げたあずきチェーンもあります。まるいコマをつなげたチェーンもあずきチェーンと言われる場合があります。オーバル・リンク・チェーン( Oval Link Chain )とも呼ばれています。

円の向きが正面と横向きの2通りになるため、適度な抜け感が生まれ、チェーンが主張しすぎないという特徴があります。ペンダントのトップを目立たせたい場合や、華奢な印象のアクセサリーに特に向いているタイプです。

品質の良いチェーンはパーツの形が正しく成形され均一であること、接合部がしっかり閉じていること、加工傷がなく各パーツが直角をなして転結しネジレがないことが大切です。

喜平チェーン

あずきチェーンと同じく、最も古くからあるチェーンの1つです。喜平(きへい)チェーンとは、あずき型のチェーンを90度ひねり、さらに押しつぶしたつくりのものを指します。押しつぶした面が綺麗に並んで同じ面を向き、連続していることによるなめらかな輝きが魅力です。ゆるやかな曲線を描き、ガタがないものがよい製品と言えます。

またバリエーションも豊富で、チェーンを断面で見たときにカットされた平面数を数え、平面の数によって数種類に分けられます。代表的なものは、2面、6面、8面です。カット面が多いほど輝きと華やかさが増します。また面数が多いほど加工の手間がかかっているとして価値が上がっていきます。

キヘイ(喜平)という名前の由来は諸説あり、南北戦争時代にアメリカの騎兵が持っていたサーベルに付いていた鎖の形状から取ったと言われる説、喜平さんという方が初めてデザインしたと言われる説の2説がよく聞かれます。

ロープ・縄・フレンチロープ系チェーン

しめ縄が編み込まれたように作られたチェーンのことをいいます。小さな輪っか (丸カン) を三重に繋ぎ合わせ、ロープのように編み組まれたネックレスチェーンです。丸カンの切り口に一定の隙間を設けたもので、フレンチロープはトリプル (三重) で編んでいくのが一般的です。一見太いネックレスチェーンにも見えますが、いくつもの小さな部品でつなぎ編み込まれた繊細なデザインをしており、一本線のネックレスよりも切れづらく頑丈です。

カットフレンチロープチェーン

フレンチロープとの違いはほとんど見分けがつきませんが、丸カン状の輪っかをわずかにカットすることで、より鋭く不規則に輝きを放ちます。

フィガロチェーン

別名で、ロングアンドショートチェーンとも呼ばれています。あずきや喜平で長短2種おコマを交互に連結したものを指します。長1:短1、 長1:短3、長1:短5 などの比率が一般的です。短いコマと長いコマの環の線径や断面の形状を変えることでデザイン的なアクセントを加えたものもあります。

ベネチアンチェーン

角い箱型の環(コマ)を、縦と横に交互に組み合わせてチェーンとしているのがベネチアンチェーンです。別名ボックスチェーンとも呼ばれています。パーツごとの間隔が狭く、密度が高いので、同じ長さのチェーンでもドッシリとした重厚感があります。ベネチアンチェーンには、4面タイプと8面タイプがあります。4面タイプは、板状の素材を単純にシンプルに箱状に折り曲げたもので、コマには4つの面があります。8面タイプは、4面タイプのコマのエッジ部分をさらに面取りし、より複雑な8つの面を作り出しています。面の数が多い方が丸みのあるやわらかな雰囲気となり、また、光をよりキラキラと反射させるので華やかさが増します。

ボールチェーン

かしめ構造によって連結するチェーンの代表的なものになります。形が揃っていること、ガタガタしていないこと、絞り傷がないことが良いチェーンの特徴です。ボール状のパーツを繋げて線状したもので、ボールにあるツメを接合しています。 接合部分には主にVカップを使用します。Vカップとはボールチェーンの端を処理するための金具であり、開いた形がV字に見えるところからVカップやVチップと呼ばれています。また、二枚貝のような見かけなので貝チップと言われることもあります。

カットボールチェーン

ボールチェーンのボール部分へ、宝石のようなカットを施したチェーンがカットボールチェーンです。動く度にカットされた面が反射してキラキラと光るので、ペンダントトップとの組み合わせにも最適です。

スネークチェーン

かしめ構造によるチェーンの一方の雄で、外観が蛇を連想させるため、スネークチェーンと呼ばれています。コマの断面形状は丸のほかに、四角、楕円、長角、六角、三角などがあります。滑らかな肌触りと動きが特徴ですが、曲げ跡に癖がつきやすく繊細な作りなので、チェーンそのものでネックレスになっていることが多く、ペンダントトップなどを吊るすのにはあまり向いていないかもしれません。