アクセサリーを作る中で、さまざまな表面加工があります。

ツヤ加工

「艶仕上げ」や「鏡面仕上げ」、「グロス仕上げ」とも呼ばれており、その名称通り、表面を鏡のように磨き上げる最もポピュラーな加工方法で、素材本来の輝きを引き立たせます。光が反射し、ものが映り込むほどに仕上げられた表面は、高級感や豪華さ、ラグジュアリーな雰囲気を演出します。輝きの強い石との相性も良いです。着けた心地もつるつると指触りが良いのも特徴です。デメリットは、他の加工に比べると小さな傷が付きやすい・目立ちやすいことですが、ツヤ加工はメンテナンスがしやすく、日々のお手入れもクロスで拭くだけで汚れが落としやすいです。気になる傷は磨き直しをすることで消すことも可能です。

ツヤ消し加工

「艶消し仕上げ」、「マット加工」「梨地(なしじ)」とも言われています。表面を最後まで磨き上げず、わざと細かな凹凸を付け光沢を消し、表面に柔らかい表情を持たせる加工です。上品で落ち着いた雰囲気に仕上がります。ツヤ加工に比べ主張しすぎないためファッションに合わせやすく、結婚指輪でも人気のある加工です。メリットは傷が目立ちにくいことです。デメリットとしては長く着用しているうちに表面が摩耗し、経年変化でマット加工の雰囲気が変わってくるということです。

ヘアーライン加工

名称のとおり、「髪の毛の線」のような細かいラインを一直線に、無数に施す加工です。ステンレスやアルミニウムによく用いられる研磨方法の一種で、マット加工の一つですがホーニングに比べると光沢も残せます。ベルト研磨機や紙やすりなどでヘアライン状に一定方向に研磨し続けることが必要になります。マット加工と同じく、傷が目立ちにくい仕上げです。

サティーナ加工

「あらし」とも言われ、ヘアーラインよりも細かいラインを入れていく加工です。上質なサテン生地のような印象の仕上げになります。マットな質感ですが、程よい光沢もあり上品な高級感が出せます。ペースト状の固形化する研磨剤を専用バフ布などの外周に塗布し、素材の表面に細やかなラインをつけます。他にも、タガネで一面に模様をつける方法や、硬質ゴムで表面をこする方法などいくつか手法があります。

スターダスト加工

一般的に「ダスト加工」と言われ、キラキラと無数の星屑を散りばめたような印象の加工です。特殊な工具でアクセサリーの表面に彫りを入れたり、ダイヤモンドのキューレット(先端)部分でランダムに叩いたりと手法に種類があります。断面が乱反射し角度を変えるたびにより輝く、華やかな仕上げでが人気の加工の一つです。

槌目加工(つちめかこう)

一般的に槌目加工とは、板材やアクセサリーの表面に専用の金槌などで槌の跡を打ち付けることで模様を施す表面加工のことをいいます。 打ち付ける槌の面の大きさや形・素材・種類・力の加減・打ち付ける回数に応じて、模様の大小やテクスチャ感、槌目の雰囲気やイメージがガラリと変わります。手作業ならではの繊細な凹凸感は、個性的であたたかみのあるクラフトテイストな印象になります。

ミルグレイン

「ミル打ち」「魚子(ななこ)」とも呼ばれ、ラテン語で「千の粒」という意味を持つ、ヨーロッパに古くから伝わる伝統的な装飾技法の加工です。「千」は「繋がり」「たくさん」「永遠」「長寿」「子孫繁栄」といった言葉を連想させることから、「終わりがなく続く模様」として、縁起のよい装飾としても古くから愛されてきました。アクセサリーの表面や縁部分へ、小さな丸い粒玉を連続してラインのように施していきます。ぐるりと一周粒が並ぶと、ぐっとデザインが引き締まり、洗練された豪華さが演出されます。

「ツヤ加工×ミルグレイン」はエレガントな仕上がりに、「ツヤ消し加工×ミルグレイン」は古美なアンティーク調の印象になります。

模様彫り

表面に彫刻をする加工です。波や草・花などの自然モチーフからロゴやハート、動物など何を彫刻するかは様々で、職人の手彫りや機械のレーザーなどで彫刻します。彫りの深い部分に墨を施して色の変化を付けたりする手法もあります。