アクセサリー作りに欠かせない部材の種類と使い方について、カテゴリーに分けて解説いたします。

ピン類

Tピン

形がアルファベットの「T」に似ていることから、「Tピン」と呼ばれています。穴開きの石やビーズを通して、アクセサリーの先端部分などに用いることが多いです。長さの種類がたくさんあるので、通したい素材の大きさによって使いわけていきます。ハンドメイドには必須の部材のひとつです。

9ピン

頭の部分が数字の「9」に似ていることから、「9ピン」と呼ばれています。片方の先端に丸いループのある長いまっすぐなピンです。石やビーズを通して、丸ヤットコなどで反対側の先端を丸めると、他のパーツとつなげるための金具になります。

カン類

丸カン

正円に近いリング状の部材で、他の金具やパーツを連結する際などに、そのつなぎ役として使用する丸型の金具です。大きさ表記は「太さ(線形)mm×外径(内径)mm」で表すことが一般的です。外径3mm~6mmの小さな丸カンはアクセサリー類に使用されることが多く、外径10mm以上の丸カンは、キーホルダーやストラップに繋げるのによく使います。引っ張る方向が一定のCカンと比べて、丸カンはくるくると回転するため、かかる力を分散できます。

Cカン

形がアルファベットの「C」に似ていることから「Cカン」と呼ばれています。違うパーツ同士を2つ、もしくはそれ以上のものを連結するときに使用します。丸カンとの大きな違いと特徴として、横から見た際に丸カンに比べて部材が気にならない、チャームがくるくると反転しづらい、などがあります。

線状の部材

テグス

釣りに使われる細い、張り感のある糸です。アクセサリー用に使われるテグスは、釣り用よりも少し細いです。ワイヤーのように曲げても癖がつかないので、アクセサリー作りに欠かせない部材です。デザインの立体感を見せたいときに向いています。素材によって特長や強度が違うため、使い分けるのがおすすめです。たとえばナイロン製のものは安価で伸縮性があり細かなビーズにも対応しやすいです。反対に、湿度や紫外線に弱く、傷が付くと脆くなることがあります。

ワイヤー

金属を細長く糸状に延ばしたものです。テグスとは違い、曲げると型がつきます。アクセサリー用のワイヤーは、銅線や真鍮線にシルバーやゴールドのメッキを施し、表面にコーティングがかかっていることが多いです。パーツとパーツの繋ぎをしっかりと固定させたい時や、モチーフとして見せたい場合は、ワイヤーを使うことをおすすめします。大きいビーズやパール、天然石など、重さのあるパーツを繋げる際には、テグスよりワイヤーがおすすめです。

留め金具

カニカン

カニカン(蟹鐶)とはネックレスやブレスレット、キーホルダーなどによく使われる留め具の名称です。形状がカニの爪に似ていることから、その名がつきました。「カン」は「鐶」や「釻」と書き、環状の金具を意味する漢字です。英語では「lobster clasp」(ロブスターの留め具)と呼ばれていて、カニと同じように爪を持つロブスターが名前に入っています。

ナスカン

漢字では「茄子鐶」と書きます。茄子のような形状をしていることから、その名称で呼ばれています。カンの部分を内側へ押すとカンが開くため、気軽に付け替えすることが可能です。サイズやデザインが豊富で、星やハートなど、デザイン性のあるナスカンも人気です。

引き輪

円形状の留め金具です。ネックレスなどを留める際に、小丸金具に引っかける爪のような形状をしています。この金具は二重構造になっており、側面のつまみ部分を押し下げることで、内側の金具が動いて隙間ができる仕組みになっています。引き輪を留める部分の板状の金具は「プレート」や「ダルマカン」「板ダルマ」などといいます。一般的な留め金具ですが、カニカンなどに比べ操作が難しく、慣れるまで扱いが難しく感じることもあります。

マンテル

環状のパーツと棒状のパーツで留める、特徴的な留金具です。留め金具としての機能と高いデザイン性とを兼ね備えており、人気のある留め金具です。

クラスプ

パールネックレスなどで、よく使われる留金具です。スライド式やワンタッチ式、プッシュ式など種類があります。デザインが施されていることも多く、人気の留め具の一つです。使いやすい留め金具ですが、その分複雑な構造になっているため、他の留め金具に比べて少し単価が高い傾向にあります。

中折れクラスプ

クラスプの一種で、蝶番で二つ折りになっているパーツをもう片方のパーツに引っかけ、折りたたむようにして使う留め金具です。時計の留め具にもよく使用されています。フラットな形状でアイテムと馴染みやすくデザインに落とし込みやすいです。

ネジ式クラスプ

ネジを回す簡単な構造となっており、使いやすいネジ式のクラスプです。シンプルな見た目でデザインを邪魔しないため、アクセサリー本体を目立たせたいという時にはおすすめの留め金具です。

マグネットクラスプ

磁石の力でアクセサリーを留めるマグネット式のクラスプです。筒型や球など、様々な形状のものが展開されています。ワンタッチでアクセサリーの着脱ができるため、使いやすい留め金具です。

フック

名前の通り、フックを引っかける留め具です。フックの形状は、S字やU字のものなどがあります。個性的なデザイン展開も多く、留め金具自体がアクセサリーのアクセントにもなります。レザーなどのエスニックなアイテムによく使用されています。

ニューホック

スナップボタンのように、片側の突起部分をもう片側のへこみにはめ込むことで、アクセサリーをしっかりと留めることができます。見た目がシンプルで、機能性も高いです。長く使用している間に引っかかりが甘くなったと感じた際は、交換するのがおすすめです。

スライド式留め具

主に3連や4連のネックレスに使用される留め具です。留め具をスライドさせるだけで、しっかりと留まります。多連のデザインでも見た目がごちゃごちゃせず、すっきりと見せることができます。

カツラ

紐などの端の処理をする際に使用する留め金具です。筒状の金具にカンがついています。 カツラの内側に接着剤をつけ、テグスなどで束ねた合皮平ひもを入れて固定させます。革紐や布、リボンなどをひとまとめに固定するのに便利です。

Vカップ

開いた状態の形がV字に見えることから、「Vチップ」や「Vカップ」と呼ばれています。2枚貝のような形に由来して「貝チップ」と言われることもあります。ボールチェーンの端を処理するために必須のエンドパーツ留め金具です。見た目は、ボールチップ(ダルマチップ)と少し似ています。

ボールチップ/ダルマチップ

アクセサリー作りにおいて、テグスやワイヤーの先端を処理するときに使用します。その工程でカシメ玉(つぶし玉)を使用することが多く、セットでもよく販売されています。潰したカシメ玉を包み込むように、ボールチップを閉じます。他の部材と同様に、色や素材、大きさの種類展開が豊富です。

エンドパーツ

ダルマカン

「板カン」や、「板ダルマ」とも呼ばれています。引き輪やカニカンとセットで留め具として使用する一般的なエンドパーツです。英語では「Chain Tab」と言われます。

ドロップ

「つゆ玉」とも呼ばれています。主にアジャスターの先端、終わり部分に装飾として使うことが多いです。

ループエンド

紐の端に取り付けるエンドパーツです。洋服や巾着袋などの、紐で口を締めるタイプのデザインや、ループエンド自体を装飾や目印として使うことも多くあります。10mm~40mmの大きさが一般的で、長方形や特殊な形だと60mm~70mmのものもあります。

その他

カシメ玉(つぶし玉)

ヒートン

ビーズキャップ

工具について

平ヤットコ

先が平べったい形状になっており、小さな金具でもしっかりとつかむことが可能です。先端の長さに種類があり、丸カンの開閉をしたり金具をかしめたり、つぶし玉をつぶすのにも使用します。平ヤットコで金具をおさえて、丸ヤットコを使って曲げたり、繋げたりと、アクセサリー作りに欠かせない工具の一つです。

丸ヤットコ

先が細く、丸くなっているので、主にTピンや9ピンの先を丸める際に使用します。平ヤットコよりも先が細いので、ワイヤーアートでワイヤーを曲げる時にも便利でおすすめです。ピン類やワイヤーを巻くときにヤットコのどこの太さで巻き始めるかで、作りたいカンの大きさを変えることができます。表面がざらざらしているタイプは滑りにくく掴みやすいですが、滑らかなタイプは金具に跡が付きにくく、綺麗に仕上がります。小さめのカンを作りたいときは、ヤットコの先の方の径が小さい部分を使い、大きめのカンを作りたいときは、ヤットコの根本の方の径が大きい部分を使用します。

ニッパー

ハサミのような形をした切断のための専用工具です。ピンやワイヤー、チェーンなどの線を切り落とすのに使用します。

指カン

丸カンを固定するのに役立ちます。利き腕とは、逆の親指または人差し指にはめます。平ヤットコで丸カンをつかみ、隙間の部分を上向きにして指カンの溝に差し込み、前後に傾けるように動かして丸カンを開閉させます。